築地本願寺
中央区築地三丁目にある浄土真宗本願寺派の寺院。東京都内の代表的寺院の一つで、京都市にある西本願寺の直轄寺院。本尊は聖徳太子手彫と伝承される阿弥陀如来立像。 築地本願寺は1617年に、西本願寺の別院として浅草御門南の横山町に建立。しかし明暦の大火により本堂を焼失。その後、江戸幕府による区画整理のため旧地への再建が許されず、その代替地として八丁堀沖の海上が下付された。そこで佃島の門徒が中心となり、本堂再建のために海を埋め立てて土地を築き、1679年に再建。「築地御坊」と呼ばれるようになった。なお、このときの本堂は西南(現在の築地市場)を向いて建てられ、場外市場のあたりが門前町となっていた。 1923年9月1日の関東大震災では、地震による倒壊は免れたが、すぐ後に起こった火災により再び伽藍を焼失。現在の本堂は1934年の竣工。
本堂
設計は、東京帝国大学工学部名誉教授で、建築史家としても有名な伊東忠太。伊東がアジア・欧米留学中(1902~1905年)に、西本願寺22世宗主・大谷光瑞が派遣した探検隊と出会ったことから縁が生まれた。当時の宗教施設としては珍しい鉄筋コンクリート造で、松井組の施工により建築された。インドのアジャンター石窟寺院などにあるチャイティア窟をモチーフにした中央屋根、西洋の宮殿建築を思わせる左右シンメトリーに広がるファサード、市松張大理石の格調高い前廊、伝統的な真宗本堂の形式を踏襲した本堂、サーンチー遺跡の玉垣を模した階段手摺や石塀など、建築と境内が一体となり、異国のような空間を生み出した。 こうして生まれた築地本願寺は、建築家・伊東忠太の代表作となった。2014年には、本堂及び周囲の大谷石積塀内柱が国の重要文化財に登録された。
御本尊
パイプオルガン
1970年(昭和45年)に、仏教音楽の普及を願い、寄贈されたもの。これだけのパイプオルガンがある寺は、日本でも珍しい。オルガンの音色は、法要行事や結婚式のほか、毎月最終金曜日に行われるランチタイムコンサートで楽しむことができる。
動物像
本堂正面にある有翼の獅子を筆頭に、牛や獅子、馬、象、孔雀、猿、様々な霊獣など全13種の動物像がお寺の各所に隠れている。これらの像を設置したのは、動物好きで知られる築地本願寺の設計者・伊東忠太博士。でも、各動物がどんな意図で配置されたのかは、いまだ謎のまま。
親鸞聖人像
台湾物故者の霊